2012年 02月 25日
呼び名 |

(Olympus PEN E-P2, M.Zuiko Digital 14-42mm F3.5-5.6)
鮭と書いてサケと読む。魚偏に生と書いてもサケ、魚偏に星と書いてもサケ。さらには魚偏に、なんという名の旁かは知らないが蕨という字の草冠を取った旁をつけてサケと読ませる場合もあるらしい。
書き方は色々有れど、サケはサケ。煮て良し、焼いて良し、生で良し、と三拍子揃っている。
しかい私個人の問題として、サケという名はどうもなにか今ひとつなのだ。ここはどうしても、サケでは無しにシャケと言はないと、ピンと来ない。
上に「塩」とくれば、下は「ジャケ」。上が「甘」でもやはり下に続く語は「ジャケ」。「新巻」とくれば、これまた当然「ジャケ」。新巻サケでは、どうにもこうにも目出度さが足りない気分になってしまう。
しからばお茶漬けはいかがなのもか、と問われる御仁がいるかもしれない。これは流石にシャケ茶漬けとは言わない。しかしサケ茶漬けと呼ぶのも、何やらどこぞの食品会社の宣伝の受け売りのようで、いただけない。「シャケのお茶漬け」と呼ぶのが私の言語感覚に一番しっくりとくる。
それならば寿司や刺身はどうか。耳にするところではやはり、サケ、シャケ、それに加えてサーモンなどと横文字で呼ばれていることも多い。
寿司や刺身に関しては、はっきり言ってどれでも良い。新巻とくればジャケでなくては目出度く無い、と言うような言語感覚的な規則を私の中でいまだに構築できずにいる。
寿司は刺身での呼称に関して、私にさしたる固執が無いのは、鮭が生のもの世界では比較的新参者であるために、歴史的ないし文化的な背景が希薄なためではないかと想像する。ただしかし、和食である寿司や刺身にサーモンは、あまり似合わないような気がする。
さて、洋風となると俄然と「サーモン」という語が強みを増してくる。サーモンのムニエルはいかにも美味しそうであるが、もしもこれをシャケのムニエルなとど呼ぼうものなら、たちまちにして高級フランス料理も、なにか葛飾柴又の定食屋で腹巻をしたおじさんたちが食べるランチメニューのように聞こえてしまい、当の鮭も相当に悔しがるに違いない。
最近は日本の食材も相当広く海外に知れ渡るようになった。こちらでフードチャンネルという料理専門のケーブルTVを見ていると、多くの日本の食材が日本での名前そのままで呼ばれていることに気付く。
さればそのうち日本語のシャケという呼び名が世界を席捲し、ムニエル・ド・シャケなどと言い出す日が来ると面白いのだが、そんなことは無いだろうナ。
<読了>
「夫婦口論 - 二人で『老い』を生きる知恵」 三浦朱門、曽野綾子

"The Poet" by Michael Connelly

<今週の一枚>
" The World Became The World " by PFM (Premiata Forneria Marconi). 1974

SIDE I
1. The Montain
2. Just Look Away
3. The World Became The World
SIDE II
1. Four Holes In The Ground
2. Is My Face On Straight
3. Have Your Cake And Beat It
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by goodsurgeon24hrs
| 2012-02-25 12:56
| 日常
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