2008年 03月 04日
疲れた |
大変な一日だった。
私の朝一番の予定手術は6時半に始まる。始まりの時間は決められているのではなく、私が決めるのである。日本の感覚で言うとまだ早朝かもしれないが、アラバマ風ではこれは当たり前。早く終わりにするためには、早く始めるしか方法が無い。かくして3月3日ひな祭り、ぼんぼりに明かりをつける暇も無く手術はいつもと変わらず午前6時半に始まった。
手術を始めるや否や心臓カテーテル室から電話が入った。カテーテル検査の最中に重大な合併症が起こり、緊急手術が必要だと言う。始めてしまった手術は途中でやめるわけにいかない。プラモデルとは違う。最初の手術をやっている最中に別の手術室で緊急患者の麻酔をはじめた。
最初の手術の大事なところを終えた後、胸を閉めるのは私専属の助手で看護師のジョーイーに任せて緊急手術を始めた。緊急手術のあとは残りの2例の予定手術を行った。大番狂わせだったのは、最後の手術だ。簡単な手術で2時間もあれば終わるだろうと思っていたのだが、予期せぬ術中合併症が起こり何と予定の3倍の6時間もかかってしまった。途中で数回、手術室の看護師が待合室の家族に状況を電話で簡単に説明した。夜遅くなり医者が疲れてうまくいっていないのではないかと心配した人がいたそうだ。そんなことは決してないのだが、そう思う気持ちも理解できる。質問された看護師の答えが、これまた気に入った。彼曰く 「You are talking about him. He is just started warming up」。疲れを知らない男と言うわけだ。
合計4例の手術を終えて、時計を見ると午前25時。疲れを知らない男もさすがにwarm upを通り越してworn outであった。
家に帰り床に就いたのが26時。夜中に予報通りサンダーストームが来たのだが、熟睡。雷の音も、雨の音も聞こえなかった。ちなみに配偶者は、これらの音で眠れなかったという。
そして今朝6時半、今日の予定手術が始まった。また新たな一日の始まり。めでたいことである。
(Olympus PEN FT, Zuiko 42mm F1.2, Velvia 100)
by goodsurgeon24hrs
| 2008-03-04 09:07
| 仕事
|
Trackback
|
Comments(2)
初めまして。
日本で手術室のNsしているものです。
私も今年からUSRNの資格取得に向けて渡米するのですが、手術器械の写真を見て思わず嬉しくなり(?)コメントを…。
これからも、拝見させてもらいますね。
お仕事頑張ってください!!
日本で手術室のNsしているものです。
私も今年からUSRNの資格取得に向けて渡米するのですが、手術器械の写真を見て思わず嬉しくなり(?)コメントを…。
これからも、拝見させてもらいますね。
お仕事頑張ってください!!
0
Commented
by
surgeon24hrs
at 2008-03-16 10:28
x
nathanさん、初めまして。ブログも読ませていただきました。USRN、頑張って下さい。日本人で挑戦する人は多くないと思います。応援しています。
合格の暁には、日本チームを作りましょう、なんちゃって。
合格の暁には、日本チームを作りましょう、なんちゃって。