天災 |
夏は多少暑いと言うことを別にすれば、私は仕事で慣れているので長時間マスクをしていることに違和感はない。
しかし人生何が起きても不思議がなく、先日も予期せぬことを体験した。あまりに珍妙かつ悲惨な体験だったので、忘れない様にここに記しておく事にする。
その日は7月初旬。暑い午後だった。
我々の地域はマスクの着用が義務化されており、罰金規定も存在する。もちろん私も他の人々と同じ様にマスクを着用して歩いていた。
すると、突然口の中に米粒大の遺物感を覚えた。なんだろうと思い、口をモグモグさせていると、何やら懐かしい味がする。
適度な弾力感。滋養味のありそうな食感。そして、太古の海を思わせる様な心地よい塩分。私の記憶は、半世紀以上の昔へと一気に遡った。
これは私がまだ幼稚園に上がるか上がらないか、といったほどの年齢だった時だ。どうしたわけか、鼻にむず痒さを覚えた。幼い私はごく本能的に対処した。鼻に指を突っ込み、原因となった物質を取り出した。しばらく眺めた後、その原因物質は私の口に運び込まれた。
そうだ、やはりこれは、あの時の味だ! 自己生産のスナック。ジャンクフード。
私は瞬時にマスクを外し、米粒大の遺物を吐き出した。
これはもう、ちょっとした天災に匹敵するほどの惨事である。。本当に天災はいつ起こるかわからない。おそろしや。
あの〜〜、朝から家族全員で爆笑しました。実に表現豊かだったので、最初は何だろうと分かりませんでしたが......スナックの表現のところで理解しました。最初は僕1人で読んでニヤッとしていたのですけど、この愉快さをどうしても家族と共有したくなったので、読み上げて聞かせてあげました。朝の楽しいひと時を過ごすことが出来ました。