あぶり出し? |

器(うつわ)は食事を美味しくいただくために大変重要なものであることは、論を待たない。
フレンチやイタリアンのメニューを丼(どんぶり)で頂いたり、和食の際にすまし汁をマグカップで頂いたりしていたのでは、料理の本来の味わいが台無しになってしまう。
器の重要さは食事だけではなく飲み物に関しても同様だ。ウイスキー、赤あるいは白ワイン、スパークリングワイン、日本酒などなど、飲料の種類に応じて美味しく頂けるクラスや器は自ずと異なる。
白状すると私自身は食器やグラスなどの器に関しても甚だセンスが悪い、と来ている。したがってそのようなことは、専ら配偶者のセンスに頼ることにしてる。そのようにしておけばまず間違いはない。そしてさらに重要なことは、私が責任を取らなくてはならない可能性がゼロとなる。
以前に配偶者が帰省した際、とても素敵な盃を購入してきた。
比較的小さめの高台から緩い角度で見込みがゆっくりと立ち上がり、広い口縁で終わっている。色は綺麗な青。盃の底には、今にも動き出しそうな一匹の金魚の絵が書いてある。夏に冷酒を少しばかりいただくのに最適だろう。とても涼しげに見えるに違いない。透明な酒の中であたかも金魚が舞うように見えるはずだ。
残念な事は、私が住んでいるようなアメリカの地方都市ではなかなか美味しい日本酒が手に入らない。西海岸の大日本人が多い都市やニューヨーク、シカゴなどの大都市ならおそらく簡単に色々な種類の物が手に入るのであろう。しかし私の場合は、そのような地の利を得られるような状況にないのだ。
そんなある日、私は普段この辺では売っていない日本酒を目にした。どらどら、たまには日本酒も悪くは無い。勘定を済ませスーパーマーケットから家路に着いた。
早速買ってきたばかりの瓶の封を切る。中の液体は片口を介した後、件の盃に移された。実際にこの盃を使うのはこの時が初めてであったので、期待に満ちて盃の底を覗き込んだ。
おや! 金魚は何処へ?
なんと私は、濁り酒を買って来てしまったのだ。
これでは趣も何もあったものではない、などと簡単にへこたれる私ではない。何事も起らなかったような顔をして趣向を急遽変更する。濁り酒を少しずつ口にしながら徐々にあらわらる金魚の絵を楽しむことにしたのであった。まるで炙り出しで文字が少しづつ浮かび上がるように、徐々に金魚が見えてくるという塩梅だ。
ここでもっとも重要な事は、最初からそれが目的であったかのように振舞わなくてはならない、と言う事である。間違っても慌てふためいたり、残念がるようなそぶりは決して見せてはならないのだ。
<読了>
「エロチック街道」 筒井康隆

乙ですね~
流石です、Surgeon24hrsさん!(* ´艸`)クスクス
日本酒好きな主人が、ネットで日本酒買っていましたよ。
でもAKはHI同様送料が追加料金となるので
義父の居るIDへ送ってあり、まだ飲めていません。
そうそう器のお話でしたね。
知人にガラス工芸家がいて「バーボンに合うグラスお願い」と作ってもらた。美味しくいただいていたんですがうっかりと割ってしまって残念。
https://enigma6146.exblog.jp/26659270/
でもそこは自分もsurgeon24hrs さんと同じでセンスが無いので食器棚から手前にあるものを出してしまいます(笑)
グラスも皿も全て手前又は取りやすい高さにあるもの(苦笑)
呑んでしまえば一緒(笑)食べて美味しかったら良いと思っていますから(苦笑)
お客様と呑むときは別ですよぉ〜
真剣になりますw(爆汗)
器選びのセンス、
ご自分より奥様の方がおありだと認識されている時点で
夫婦円満、世の中全て丸く収まり、誠にメデタイことと存じあげますョ^^
奥様のお選びになった食器で毎日美味しく文句を言わず(ココ大事)
お召し上がりになっていらっしゃれば、
きっと未来永劫、家庭の平和は乱されることはありません^^
あぶりだしの金魚に悦に入るsurgeonさん、
お味の方も数倍にも増したに違いない事でしょうネ^^
で、筒井康隆氏の本も読まれるのですね。
ちょっと意外でしたが、私20歳前後、
広瀬正や小松左京、星新一など一連のSF作家に嵌っていたころ
彼の著作も好きでした。この短編も、内容おぼろげですが懐かしい。
私の読んだのは他の短編と一緒の文庫で、他に「ジャズ大名」が面白かった記憶が。

よく見て買ってくればよかったのですが、なんと濁り酒!残念でした。
アラバマはネットでお酒を州外から個人で取り寄せることができないんですよ。税金の取りっぱぐれになることを恐れているみたいです。

勘違いのカモフラージュ、日頃からの屁理屈が非常によく役に立ちます。あはは。
雨の災害の死者が200人越えになってしまったみたいですね。自然災害は本当に怖いですね。

我が家は昨夜、麻婆豆腐でした。我が家は出来合いのレトルトなどを使わずに全て手作りで出してくれるので、バッチリです! もっとも私は一切手を出しませんが。
知人のガラス工芸家にオーダーなんて、いいですね!
おっと割れてしまいましたか。もう一度お願いしてみたらいかがですか?

このことに限らず私はおよそありとあらゆることに関して美術的センスがゼロなのです。「違いのわからない」男なのです。なので、そういう事は配偶者に丸投げです。でへへ。
特にグラスや湯のみよ尿な、口に直接触れるものは厚さの感触でもなんだか味や風味が違ってくる感じがしますね。
お客様と真剣勝負、尊敬いたします!

繊細な感触を求めなければ、なんでもマグカップで便利ですよね。少し大きめのマグカップだったら、インスタントラーメンもマグカップでOK!あはは。

はい、選択は配偶者に丸投げしております。ただ丸投げするなら絶対に文句を言わない。これ、鉄則ですね。でも幸い配偶者の趣味が私の好みと一致するので、今まで問題になった事はありません。なので安心して丸投げしております。イヒヒ。
筒井康隆、久しぶりに読みました。私の傾向のない乱読に呆れられていらっしゃる事でしょう。
挙げていただいた作家の中では、私は星新一がダントツに多いです。昔はやりましたよね。懐かしい。
私も器大好きです。
日本の器は季節感もあり 、とてもいいものです。
夫は 私が購入した 器使い勝手悪いと 、、
先日は100均で 湯のみ買ってきて、、
これが丈夫で割れない! 私の気に入った陶器の湯のみ
食洗機に入れ ひびが入り、、
まあ また購入する楽しみあっていいのですが。
ちなみに 夫 コーヒーもお茶も その色が見えないと嫌だそう

そうなんですよ、この金魚の盃、とっても素敵。お見せできないのが残念です。
日本の器って、おっしゃる通り季節感たっぷりですよね! 洋食器だとなかなかそうは行きません。
美しさや使った時の感触の良さを優先するか、実用の度合いを優先するか、それは難しい問題ですよね。
普段使いは実用重視、で、時々美を優先、ってのが一番いいかもしれませんね。