衝撃的出会いの数々 |
今までの人生の中で、大変に衝撃的な出会いをした経験が数回ある。
強調しておくが、これらはそんじょそこいらで起きるありきたりきの衝撃ではなく「大変に衝撃的」だったのだ。それはあたかも、ある晴れた日曜の午後を口笛を吹きながら上機嫌で散歩をしている時に、突然何者かに後ろから金属バットで頭を殴られた様な、本当に予期せぬ強烈な忘れ得ぬ衝撃と言い換えても良い。
何と言っても筆頭は初めてのピザとの出会いだ。
ある夜、酒気を帯びた父親がお土産と称して今までに見たこともない円盤状のものを持ち帰った。「これはピザパイというものだ」と彼は自分で作ったわけでもないのに、妙に誇らしげであった。いまの様にピザというのではなく、ピザパイであった。
まず私が途方にくれたのは、これは手で持って食べるのだというではないか。おにぎりなどの稀有な例外を除いて、インド人の親戚を持たない私は食べ物は箸、フォーク、スプーンで食べるものと教え込まれていた。それが、今宵この円盤状のものを手で食べろということになった。そして味は言うまでもない。溶けたチーズをあれほどたっぷりと食したことは未経験であった。
キーウィーフルーツも、かなり衝撃的であった。
これまた酒気を帯びた父親が、持ち込んできた。観ると非常に見苦しいものであった。まるで毛の生えた恐竜の卵の様にすら見えた。触って観ると、全体的な硬さは保ちながらもそれでいて何と無くうっすらと柔らかい。この薄ら柔らかい感触が外見と相まって、気持ちの悪い感じをさらに一段高い次元にアウフヘーベンさせている。
輪切りを見てこれまたびっくり。豆鉄砲を食らった幼気(いたいけ)のないワニの赤ん坊の瞳の様な色をしている。私の初めてのキーウィーの味の印象はイチゴであったと記憶している。
明治のコーヒービートとの邂逅も、なかなかに衝撃的であった。
コーヒービートに関しては酒気を帯びた父親は一切関与していない。あれは遠足のためのお菓子を買いに行った時だった。バナナはお菓子かおかずかなどと言う不毛な議論に興じている奴らには一切構うことなく、私は近所の菓子屋に駆け込んだ。目に入ったのが「新発売」と表示されているコーヒービート。マーブルチョコレートの様な丸い筒に入っている。このころの私はまだコーヒーなるものを口にした事はなかった。しかし、商品名が醸し出す淫靡な大人の世界への誘惑に誘われて、一本買った。
遠足では1粒だけ食べて、すぐに荷物の奥底にしまいこんでしまった。こんなに美味しいものをここで一気に食べて今っては勿体無い。そして私を見た誰かが「おー、なんだそれ? 少しくれよ」などと言ってよってこないとも限らない。これは深夜放送を聞きながら1人でこっそりと夜中に食べるのが一番良いと判断したのであった。
こうして振り返って観ると、私の経験した「大変に衝撃的」な出会いは、子供の頃に集中している。
もちろん成人してからもいくつもの素晴らしい出会いがあった。しかし金属バットで殴られた様な衝撃には至らなかった。年齢を重ねるにつれて免疫が備わってしまい、そして頭にはヘルメット。もはやちょっとやそっとの金属バットでは今の無敵の私を倒す事はできないのだ。ムフフフ。
<読了>
「世界終末戦争の夢」 H・G・ウェルズ
あまりの心地よさにお代わりをたくさんして、腹をこわす顛末でした^^;
ほんとよく考えながら振り返ると、衝撃的な出会いが実はたくさんあるんですね。ふと今回の記事を読みながら真っ先に頭に浮かんだのは、子供が2歳くらいの時に始めて柿の種を食べさせたときの子供の複雑な顔です。複雑な顔をしながらも一生懸命に食べていました笑
あれーーなーんだ(^O^)
私も 衝撃だったのが カップラーメン初めて食べた時。
東京から 叔母がお土産に、、小学生だったかな?
こんな お湯を注ぐだけで うまいものが、、
都会はいいなー
田舎者が 衝撃受けて その後 叔母のところに
遊びに行き 何が食べたいといわれ
カップラーメンと 安い人間でした。
懐かしい事 思い出させてくださり ありがとうございます。
doctorのいくつもの衝撃を与えて下さって、人生がキラキラ✨と輝き彩を与えて下さったんですねェ~♬
私、衝撃的なモノって…
ん~~~~
小学生に上がる前かしら…なんか手品だかなんだかで…
胴体切っていうショーを見たんですけれど…。
あまりの衝撃で気持ち悪くなってしまい…帰宅後に倒れてしまいました…。
幼気な子供時代もあったんですの…ほほほほほォ~~( *´艸`)
初めて訪れたレストランでパイと言う文字に目がくらんで、チーズのたっぷりのったピザパイを注文して、一切れ食べた時の衝撃は忘れません。
今じゃ、ピッツアは大好物ですけどね。(^^;)
なんともシンパシーを感じるところでゴザイマス。
私もピザとの出会いは、surgeonさんに近いものが
ありますが、悲しいかな、もうすでに高校生ぐらいだった気がいたします。
幼少期、TV漫画で観ていた「ポパイ」に出てくる
ハンバーガーにどれだけ憧れていたか・・・・・・
だから初めてマクドナルドハンバーガーを並んで買ったときには、
生まれてきてよかった、ありがとーお母さん!と
心の中で叫んだもんです。
しかしながら私の場合、いずれも独力で得たものばかりで
酒気を帯びた父親からは「いきなり後頭部を殴られたような
ショッキングな味との出会い」など何一つ与えられた記憶が
・・・・・。あ!思い出した!「くさや」を持って帰って来た時が!!
あ・あの不条理極まりないあの味は、殴られたなんてもんじゃなかったし・・・お好きな方、ごめんなっし~~
なるほど、緑茶に対抗する麦茶でしたか。
麦茶、夏の風物詩と言って良いくらいですよね。我が家では子供の頃は冷たく冷やした麦茶に砂糖が入っていました。aitoyuukiさんのおっしゃる麦茶の甘みは、砂糖なのでしょうか、それとも麦茶本来の風味なのでしょうか?
お腹を壊すほどと言うのは、相当に美味しくていっぱい飲んでしまったのでしょうね。
なるほど、ご自身の体験ではなくて、お子様の忘れられない体験ですね。
確かに小さい子にいきなり柿の種は、驚くでしょうね。笑って箸連れなのは十分に承知しているのですが、それでも想像すると可笑しくなってしまいます。いやはや、失礼!
はい、子供の時に初めて食べた忘れられない食べ物の話でありました。恋人との運命の出会い、などとは程遠い話なのです。あはは。
実はカップラーメンも今回書くつもりだったのですが、書いているうちに、それではあまりにも長くなってしまう、と思い残念ながら割愛した次第であります。でも、あれは本当に衝撃的でした。
外食も手作りも、美味しいものに満ち溢れているNaoさんは、そおんじょそこらの食べ物では驚かなかったのでしょうね。
胴体切り、ですか。そりゃ確かに衝撃的ですね。あらら、気持ちわくるなって取れてしまったなんて、大変なショックだったのですね。
初めてのピザはここにも書きましたが、大変に美味しかったです。
高校時代に学校から最寄りの駅までの商店街の中にピザ食べ放題の店えがあって、当時五百円でした。部活動でお腹を減らした時にはそこでガツガツと大食いをしたものです。でもやはり一番美味しかったのは、生まれて初めて食べたピザでした。
あー、ポパイのハンバーガーね。あれは当時私の身近では手に入るものではなかったので、興味は持ったものの食べてみたいと言う欲求はあまりなかったですね。あと、私は野菜が嫌いだったので、なんでほうれん草なんて食べるのかと、半ば呆れて
おりました。
私の初め絵tのハンバーガーはマクドナルドからはるかに遅れて、駅構内のロッテリアでした。バーガーと一緒に頼んだシェイクが衝撃的でした!
くさや、私好きなのですよ! で、妙なもので、味が好きとなるとあの香りも「この臭い匂いがいいんだよね」なんてことになってしまいます。おかしなものです。
小次郎さんは色々なものを作っていらっしゃるのは存じ上げておりましたが、キーウィーも作ってらっしゃるのですか!ビタミン豊富で美味しいキーウィー、自家製なんて素晴らしいですね!羨ましい限りです。
久しぶりにコメントさせて頂きます。
本当に衝撃的な味との出会いは子供、しかも小学生の頃に多いような気がするのですが、私の場合は母が市販のお菓子等を基本的に与えない方針であった上、お小遣いも周囲と比べて非常に少額だった為、駄菓子屋での邂逅も全くありませんでした。
その様な訳で私の衝撃は母の管理下から離れ、懐にも多少余裕が出来た10代後半に訪れました。
1つは『セサミアーモンド』なるスナック菓子です。
市販のお菓子をめったに購入しない母が珍しく買ったもので、聞けば仲間内でブームになっているとのこと。
ただのセサミスナックとアーモンドを混ぜ合わせたお菓子の何が美味しいのか、と食べる前は懐疑的だったのですが、食べ始めたら止まりません(笑)。両者の生み出す絶妙なハーモニーに完全にやられてしまいました。
母の指導の賜物か、私は貴重なお小遣いを使ってまでお菓子を買おうとは思わなかったのですが、これだけは自腹を削ってでも食べたくなり、お店に走っていた思い出があります。
もう一つは『ラーメン』なのですが、既にかなりの長文ですので割愛致します。
長文及び乱文・乱筆、失礼致しました。
ほー、セサミアーモンドと言うのですか。不勉強で私それは知りません。で、今検索して見ました。うん、確かにこれは美味しそうなスナックですね。お母様の仲間内でブーム、お母様もぜひご家族皆さんに食べさせたいと思ったのでしょうね。
実はこの稿には、ラーメンやカップラーメンの話も書こうと思っていたのですが、いささか長くなりすぎたので今回はナシにしました。RoySchederさんと、ラーメンでも話が弾みそうですね!