進歩 |

週末の入り口、金曜日の深夜。今まさに来らんとしている何も予定のない週末の喜びに1人打ち震えながら、漫然とYouTubeサーフィンをしていた。
次から次へと波を乗り継いでたどり着いたのは70年代洋楽ヒット。その中の1曲に、ビージーズのステインアライブがあった。あれから幾星霜、3人いたビージーズのメンバーも残るのはあと1人となり、ビージーズではなくビージーになってしまった(と言うのは、もちろん冗談)。時は確実に流れている。
彼らの曲をふんだんに使った映画、サタデーナイトフィーバーでのジョン・トラボルタのダンスを観て当時の私は、これでダンスは完成の域に至りもうこの先の発展は無かろう、と思ったものだ。
当然私は間違っていた。
大学を卒業し外科研修医となった。外科と言ってもその中で色々な専門分野に分かれてるのは誰もが周知するところ。心臓外科の30代の1人が、新卒の我々にこう言った。「消化器外科はもう100年以上の歴史があり、すでに全てが確立されている。この先発展の余地は無い。しかし心臓外科はまだ新しい分野なので、この先まだまだ発展の余地がある」。
当然彼は間違っていた。
そんな大昔の出来事を、深夜のYouTubeサーフィンで思い出した。