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skin by excite
2008年 08月 10日
全速力

( Canon F-1, FD 50mm F1.4, RXP )



子供は走る。夏だろうが冬だろうが、とにかく走る。晴れでも雨でも、走る走る。走るなと言っても、やはり走る。よく言えば元気が良い。悪く言えば、落ち着きが無い。もっとも妙に落ち着き払った子供というのも、それはそれで変なものだが……。

子供に落ち着きが無いというのは、どうやら人間に限った事ではないらしい。テレビなどで動物の生態を捉えたドキュメンタリーを観ていても、やはり子供は走り回っている。

私にも当然子供だったころがあるわけだが、何故あんなに走っていたのか思い出せない。いかに子供といえども動物の本能として理由の無い行動は決してしないであろうから、何か理由なり目的なりがあったはずだ。しかし今となっては、どう思い起こそうとしても記憶の淵から掘り起こしてくる事ができない。

私が通っていた小学校の廊下には、児童の注意を喚起する貼り紙があった。ほとんどの貼り紙は季節に何らかの関連があるものであった。例えば春には「新一年生の面倒を見ましょう」、夏には「外へ出る時は帽子をかぶりましょう」といったような類のものだ。その中で季節とは何のかかわりも無く、いつも変わらずに張られているものがあった。それには太い字で「廊下を走らない」と書いてあった。

学級会では毎週、クラスの今週の目標、というものを決めていた。教育学的見地からいうと、目標とすべき事を探し出す問題意識、それをクラスの目標にして問題を解決しようという意識、候補となった目標の中から話し合いで一つを選び出す民主主義的方法の実践など、いろいろな意味があったのであろう。しかし、その頃小学生であった私たちには、そんなことは一切関係ない。学級会を円滑にかつ早急に終わらせるため一番守りやすいと思われる目標を一つだけササッと提案して、さしたる論議のないまま適当にシャンシャンシャンと手を打って短時間で決めてしまうというのが常だった。教育者たちの崇高な理論を越えた、その場を生き抜く確固とした技術を小学生の我々は既に体得していたのであった。

同じ目標は二度と選んではいけない、という規則は無かった。覚えているのは、頻出した目標がやはり「廊下を走らない」であったことだ。2つの理由が考えられる。一つは、廊下を走っている子供が多い、というおそらく有史以来変わらない事実。そしてもう一つの理由は、これなら簡単に達成できそうである、という希望的観測。しかしこの目標が頻出したという事は、実はこれが決して達成されなかった目標であるという事をありありと物語っている。

一体いつからあの頃のように走らなくなってしまったのか、不思議とこれもまた正確に思い出せない。このようにやたらとあやふやな記憶ではあるが、そんな中でただ一つはっきり言える事がある。


大学の廊下には「廊下を走らない」という貼り紙は一枚も無かった。
by goodsurgeon24hrs | 2008-08-10 11:51 | 独り言 | Trackback | Comments(6)
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Commented by makudeco at 2008-08-11 18:31
あぁ〜なんか懐かしい。
私も遠い昔とにかく訳もなく走っていたような・・・
どんなに動いても疲れない、大人はどうして座ってばかりいるのか不思議だったあの頃。
今の私が走るのは年に数える程度・・・全速力でなんてもう何年も走ってません。
だって・・・すぐに息が切れて疲れちゃうんですもん。
いつからこんなだらしない大人になってしまったのかしら?
Commented by micio@携帯 at 2008-08-12 00:11 x
こんばんは~。
夜勤中(睡眠時無呼吸症のモニタリング)に
こっそりお邪魔しにやってきました。

オリンピックの水泳はご覧になれましたか?
日本の金メダル獲得で、雄叫びをあげて
通報されていないか心配です(笑)

さて、我が息子達も例外にあぶれることなく
いつも動いています。
特に上の息子は動くものに本能的に反応して
一緒に動きます。
「本能の赴くまま」という表現がピッタリです。(笑)
この本能をうまく活用してくれるとよいのですが、
親の希望通りにいかないんですよね~。
Commented by KAN ほっし~ at 2008-08-12 12:46 x
子供は周りからの目を気にしないから“走る”と思います。
大人になるにつれ、外からの刺激に影響され、意識するようになり、変化していくのでしょうか。
社会に適応したり、させらりたりを繰り返しながら、走らなくなっていく…。
Commented by surgeon24hrs at 2008-08-13 06:20 x
makudecoさん、こんばんは。

そうそう、走り回っているのも不思議ですが、何故連中が疲れないのかも不思議ですよね。

私は今では、たとえお金をもらっても走りません!

Commented by surgeon24hrs at 2008-08-13 06:32 x
micoさん、こんばんは。

夜勤、お疲れ様です。夜勤しかやらないとか、日勤のみというのなら生活のリズムをつくり安いでしょうが、日勤と夜勤を取り混ぜて仕事をしている方々には頭が下がります。私にはそんなことは出来ない、という確固たる自信が有ります。 もっとも、そんなことに自身があっても何の役にもたちませんが...。

北島のレースは見事でしたね。自分ではわかりませんが、たぶんおとなしくみていたのでしょう。我が家にパトカーは来ませんでした :-)

私もきっと、親の希望通りに育たなかったクチですので、自分が親になった現在、一体なんと言ってよいのやら....。

働き過ぎないようにね。
Commented by surgeon24hrs at 2008-08-13 06:34 x
KAN ほっし~さん、こんばんは。おいそがしいのに、書き込みありがとうございます。

おっしゃるとおり、成長につれて行動が抑制されたり、抑制しなくてはならなかったりと言う事はあるでしょうね。
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