2008年 08月 09日
一生懸命 |
( Canon NF-1, FD 70-210mm F4, Velvia 100 )
まず冒頭にお断りしておく、今日の話はいつも以上に退屈である。先にお断りをしておけば、以下を読み進んで大切な時間を無駄にしてしまった人が居たとしても、私の責任ではなくなる。こうして迫り来るあまり望まない事態に対して事前に備えて警告を発しておく事も、私の管理能力の一つであると是非評価していただきたい。
ようやく、なんだか大変な一週間が終わった。何が大変だったかというと、私の知っている限りでもこの一週間で5人の人がクビになっていった。ひとりはセクハラ。これは既に8月7日のブログで紹介した話である。彼の場合は自業自得である。言訳の余地はない。そのほかの4人は、職業上の管理能力を問われて座を追われた。
R医師がクビになった翌日、外科系医師と病院のCEO、CFO、その他理事会メンバー達と言った管理運営関係者とで会議を持った。議題は現在病院に入っている麻酔科医師グループについてである。このグループは3人の麻酔科の医師から構成されている。彼らの医師としての技量には特に大きな問題は無い。しかし彼らに対しては、多くの外科系医師達が以前から手術室をいかにに効率的に管理するかという事に関して不満を持っていたのだ。たとえば一例を挙げると、ある手術が終わって次の手術が始まるまでのタイムロスをいかに少なくするか、などの話である。
そんな状況の中、別の麻酔科グループが病院にアプローチしてきた。このグループは現在のところ我々のいる病院とは契約関係に無いのだが、新たに契約を結びたいというのである。もちろんこの契約が無ければ、病院内では働くことができない。
病院としては今までのグループとの契約を存続させるか、あるいは今までのグループとの契約更新せずに別のクループと新たに契約を結ぶか、の二者択一となる。長い会議の結果、今までのグループには出て行ってもらう事となった。
こうして麻酔科の3人を解雇した翌日、もう一人が職を失った。昨日の会議で状況の説明ならびに議事進行に中心的役割を果たしていたCEOが、別の件で管理能力を問われて即日解任となった。
アメリカは実力主義であるということは、今までも何回か書いてきた。最終的な評価は「結果」である。結果が出せないものは、明日を待たずして今日にでも職を奪われる。
日本であれば一生懸命にやる事が評価されることもある。たとえ思うような結果が出せなくても、一生懸命やったのだから、という結論で大団円となる。しかしアメリカでは、一生懸命やること自体は評価対象とならない。一生懸命やるということが仕事なのではない。結果を出すために一生懸命やら無くてはならない人が居る、という方法論としての一生懸命にすぎない。つまり理論的には、結果を出せる人はなにも身をすり減らして一生懸命やる必要はないのだ。いつもヘラヘラ笑っているだけで全然真剣にやっている様に見えなくとも、きちんと求められている成果を出せばよいのである。だだし実際問題として、よほどの天才でもない限りは、努力せずして結果は出せないのであるが….........。
以上が私の怒涛の一週間のサマリーだ。退屈な話で、誠に恐縮の至りである。
by goodsurgeon24hrs
| 2008-08-09 13:16
| 仕事
|
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Comments(6)
ううう。
ワタシの職場がアメリカ思考だったなら、何人が職場に
残っていることができるのだろう???
半分以上は即刻解雇になりかねないかも?です。
この向日葵は、surgeon24hrsさんの背を抜くことが
できなかった向日葵でしょうか?
花びらの先までピンと生きる力が見える一枚ですね。
ワタシの職場がアメリカ思考だったなら、何人が職場に
残っていることができるのだろう???
半分以上は即刻解雇になりかねないかも?です。
この向日葵は、surgeon24hrsさんの背を抜くことが
できなかった向日葵でしょうか?
花びらの先までピンと生きる力が見える一枚ですね。
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KAN ほっし~
at 2008-08-10 16:26
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icchiy_passage at 2008-08-10 20:59
一生懸命やるのは当然で、それで給料を貰っているのだからね(笑)
米国の全ての会社はやぱり仕事の過程は評価対象にはならいないことが多いのでしょうか?
日本も少し前から実力主義を取り入れた会社がありますが、どうもうまく言っているとは言いがたいところもあるようですね。
仕事の評価って難しい><;
米国の全ての会社はやぱり仕事の過程は評価対象にはならいないことが多いのでしょうか?
日本も少し前から実力主義を取り入れた会社がありますが、どうもうまく言っているとは言いがたいところもあるようですね。
仕事の評価って難しい><;
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surgeon24hrs
at 2008-08-10 23:25
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micioさん、おはようございます。
さすが、よく分かりましたね。これが今年蒔いた種からのひまわりです。本当はもうかなり枯れかかっていますが、スライドが現像からやっと帰ってきたので今やっとアップです。
しつこいようだけど、夏はやっぱりひまわりと来なくっちゃ!
さすが、よく分かりましたね。これが今年蒔いた種からのひまわりです。本当はもうかなり枯れかかっていますが、スライドが現像からやっと帰ってきたので今やっとアップです。
しつこいようだけど、夏はやっぱりひまわりと来なくっちゃ!
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surgeon24hrs
at 2008-08-10 23:32
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KANほっし~さん、おはようございます。そして、公演の完売おめでとうございます。着々と仕事で結果を出してますねー!。
こちらでも麻酔科も含めた医師が少ない分野が存在します。しかしこちらでは看護師がさらに上の資格とトレーニングを受けることによって医師と同じようなことが出来る制度が有ります。麻酔科などはその典型で、私のところでは医師は3人ですが、麻酔看護師は30人くらい働いています。
ベトナム戦争時代に、少ない人材を補う制度が医療でも発達したようです。
こちらでも麻酔科も含めた医師が少ない分野が存在します。しかしこちらでは看護師がさらに上の資格とトレーニングを受けることによって医師と同じようなことが出来る制度が有ります。麻酔科などはその典型で、私のところでは医師は3人ですが、麻酔看護師は30人くらい働いています。
ベトナム戦争時代に、少ない人材を補う制度が医療でも発達したようです。
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surgeon24hrs
at 2008-08-10 23:39
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icchiyさん、おはようございます。
おっしゃるとおり仕事の評価は大変難しいと思います。
いままで存在していなかったところに成果主義を急に取り入れると、やはり職場全体がギクシャクしたりして、うまく回らないと思います。仕事の方法やその評価方法も、広い意味ではその国の文化に属することだと思うので、A国の方法がB国で作動するとは限らない思います。
アメリカのように極端な成果主義が一般的になると、日本で現在言われている以上に勝ち組負け組みの住み分けがはっきりしてしまうでしょうね。
おっしゃるとおり仕事の評価は大変難しいと思います。
いままで存在していなかったところに成果主義を急に取り入れると、やはり職場全体がギクシャクしたりして、うまく回らないと思います。仕事の方法やその評価方法も、広い意味ではその国の文化に属することだと思うので、A国の方法がB国で作動するとは限らない思います。
アメリカのように極端な成果主義が一般的になると、日本で現在言われている以上に勝ち組負け組みの住み分けがはっきりしてしまうでしょうね。