2008年 05月 04日
科学と文化 |
分数に強くなければ、やってゆけない。小学校でもう少し、勉強しておくべきだったのかもしれない。後悔先に立たず。
木製ピンホールカメラの作成に取り掛かったのだが、度量衡の違いからどうしてもいろいろなことがピンとこない。勘が働かないのだ。まず最初は定石どおり設計図を描くことからはじめた。もちろん各部分の寸法も記入した。板は5mm厚にして、この間隔は6mmとしよう、などなど。近くのDIY屋に材料を買いに行って、棚の前に立った途端に立ち竦んだまま動けなくなった。アメリカはインチ表示であることを忘れていたのだ。
しかしいったい何故、アメリカではこれほど非科学的な単位をいつまでも使用しているのだろうか。1インチは2.54センチ。1ヤードは3フィート、つまり36インチ。要するに1フィートが12インチと言うことになる。1マイルに至っては17602ヤード、すなわち5280フィートに相当する。分かりにくいかもしれないので、インチで言うと63360インチだ。おや、余計に分からなくなった。
重さを見てみよう。1トンが1000kgと思うのは大間違い。アメリカの1トンはなんと907.18キロである。1ポンドは16オンスだが、1オンスとは28.35グラムのことである。さらに困ることには同じ英語圏でもアメリカのポンドとイギリスのポンドはことなるのだ。事ついでに記すと、イギリスにはストーンと言う重さの単位もある。体重を効くと、俺は13ストーンだ、などという答えが返ってくる。1ストーンとは6.350293186キロのことだ。
ガソリンなどの液体を図る時はどうか。1ガロンは3.79リットル、つまり128オンス。オンスというのは重さでも体積でも使うのだ。1オンスの水はティースプーン6杯、あるいはテーブルスプーンで2杯のことである。
こうしてみると、日本がメートル法を採用しているということは誠にありがたく、奇跡であるような気すら起きてくる。日本も以前は尺貫法を用いていたわけだが、第二次世界大戦で負けたときにGHQの御達しで、アメリカと同じ度量衡となった可能性だってあったはずだ。そういえば、布地は日本でもヤードで売っていた記憶がある。
最も習慣とは恐ろしいもので、1升、1合、1坪、1俵などといわれたほうがピンとくるときもあることは否めない。日本だろうがアメリカだろうが、一概に独自の度量衡を否定するわけには行かない。要するにこれは数学や科学ではなく、文化の問題なのだ。
さて、DIY屋から出てきた私の買った板は、一枚が12 x 24 x 1/4 インチ、もう一枚が 3 x 24 x 3/32 インチという規格のものだ。これがいったいどういう寸法なのか、買ってきた今でもよく分からないでいる。
1/4 インチだけでもすでに複雑なのに、3/32 とは.....。
by goodsurgeon24hrs
| 2008-05-04 06:18
| 独り言
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