2015年 05月 25日
無力 |
WHERE : 有楽町ガード下
CAMERA : iPhone 6 with wide angle lens (Snap 6!)
話は前回の続きとなる。
医者だの看護師だのと言ったところで、実を言うと病院のような装備の存在しない場所では人々が期待するほどには役に立たない、と白状しておかなくてはならない。
街中で具合の悪い人に対処すると言っても、出来る事は非常に限られている。まず、呼吸をしていて心臓が動いている、つまりまだしっかり生きてる事を確認する。
生存さえ確認されれば、脈に触れて血圧がどれ位なのかを判定し、今回の空港のように酸素マスクが入手可能であれば着用させる。あとはひたすら、救急車の到着を待つのみである。
不幸にして生存確認が出来ない場合には、蘇生術となる。最近はAEDが設置されているところが多いので、なにも医学的知識が無くても機会が何をすべきか判断してくれるので、とても便利になった。(誰にでも使えますヨ)
蘇生できればその後は、これまた救急車を待つのみ。蘇生できなければ、周囲に「お坊さんはいませんか?」、「禰宜さんはいませんか?」、「神父さんはいませんか?」、はたまた「ラビさんはいませんか?」などと信仰する宗教に応じて適当な役職を募る。(嘘)
間違ってもラバさん、と言ってはいけない。酋長の娘が名乗り出てしまうかもしれない。(昭和5年のヒット曲だそうで….)
以上から分かるように、街中での我々の役目の大部分は、救急車の到着を待つ間に「大丈夫ですよ。心配は要りません」という念仏を唱え続けることにある。しかも、それは医者や看護師に限らず、誰にでも出来ることである。
早い話が空港などで「医者や看護師はいないか?」というのは、「漢字検定2級以上の方はいませんか?」、「宅建の資格をお持ちの方はいませんか?」、あるいは「前科をお持ちの方はいませんか?」などという事と大した変わりはないのである。
我々がやっている事は、大したことが出来ない状況であるという事をタダひたすら隠し続けながら、大丈夫だという、根拠のないエセ安心感を与えることである。これは詐欺師や祈祷師の職業領域に入ることであろうと思われる。
どの程度の安心感を与えることが出来るかは、我々の技量の問われるところであろう。と言うわけで、私は今年は演技の訓練をしようかと考えている。(嘘)
<読了>
「男と女のワイン術」 伊藤博之、柴田さなえ
<今週の一枚>
" MANIFESTO " Roxy Music, 1979
EAST SIDE
1. Manifesto
2. Trash
3. Angel Eyes
4. Still Falls The Rain
5. Stronger Through
WEST SIDE
1. Ain't That So
2. My Little Girl
3. Dance Away
4. Cry, Cry, CRy
5. Spin Me Round
by goodsurgeon24hrs
| 2015-05-25 15:33
| 日常
|
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Comments(12)
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voyagers-x at 2015-05-26 15:26
こんにちは!!
出先で病人が出た時に医師が行えることは、現実的にはほんとに限られていますね。偶然に酸素ボンベとかAEDがあれば必要最低限に生かしておくだけの処置はもしかしたら可能かもしれませんね。なにもない場所で脈拍が触れないとか呼吸していないとか確認できれば、心マと……可愛い女の子であればサービスで人工呼吸してあげますけど……(笑)。やっぱりそういう時に備えてテレビに登場してくる様な万能なスキルを身につけなくては^^; 何も無い所で急変と言われても、多分急いで救急車呼んでと叫ぶ事しか出来そうにありません^^;
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debu8219 at 2015-05-26 18:57
確かに仰る通りかも使れませんね。
でもやはりお医者さん、弁護士といった士が付く職業の方には、自分直ぐに「先生!!」と言ってしまいますw(汗)
他にも設計の先生などにも職業柄言ってしまいますけどねぇ(苦笑)
救急患者がその場に居たら自分には「大丈夫だから自分は危険物の資格を持っていますから安心して下さい...」なんて言えませんから(笑)
芝居は、自信がありますよぉ〜
営業マンですから嘘ハッタリを常にかましていますからねぇ(爆)
でも救急患者の状態の人は自分のお客様は居ないので(苦笑)
でもやはりお医者さん、弁護士といった士が付く職業の方には、自分直ぐに「先生!!」と言ってしまいますw(汗)
他にも設計の先生などにも職業柄言ってしまいますけどねぇ(苦笑)
救急患者がその場に居たら自分には「大丈夫だから自分は危険物の資格を持っていますから安心して下さい...」なんて言えませんから(笑)
芝居は、自信がありますよぉ〜
営業マンですから嘘ハッタリを常にかましていますからねぇ(爆)
でも救急患者の状態の人は自分のお客様は居ないので(苦笑)
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surgeon24hrs
at 2015-05-27 05:28
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voyagers-x さん、こんにちは。
そうですよねー。とにかく機材や設備が無ければまったく無力ですよね。
訴訟社会のアメリカでは、親切で設備や資材の無い所で手伝って残念ながら死んでしまったような場合、Good Samaritan Law と言うのがあり、好ましくない結果に対して法的責任は問われないという規定があります。
大学卒業してすぐに就職した大学病院で、眼科の教授室を掃除していた掃除婦がたおれ、たまたま在室していた眼科の教授が「医者を呼べ」と大騒ぎした、という逸話がありました。 :D
そうですよねー。とにかく機材や設備が無ければまったく無力ですよね。
訴訟社会のアメリカでは、親切で設備や資材の無い所で手伝って残念ながら死んでしまったような場合、Good Samaritan Law と言うのがあり、好ましくない結果に対して法的責任は問われないという規定があります。
大学卒業してすぐに就職した大学病院で、眼科の教授室を掃除していた掃除婦がたおれ、たまたま在室していた眼科の教授が「医者を呼べ」と大騒ぎした、という逸話がありました。 :D
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surgeon24hrs
at 2015-05-27 05:33
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魔王さん、こんにちは。
センセイと呼ばれるほどのバカでなし、という川柳もありますが、世の中センセイだらけの世の中になりました。もー、国民一人ひとりが何らかのセンセイです。 :D
まあ、医者だの看護師だのと言っても街中じゃテンデ役に立ちませんよ、正直言って。
そうか、営業マンは演技が上手そうですね。「このやろう!」なんて思っても顧客に対してはニッコリ、とか。いやはや、お疲れ様でございます。心労察して余りあります。
センセイと呼ばれるほどのバカでなし、という川柳もありますが、世の中センセイだらけの世の中になりました。もー、国民一人ひとりが何らかのセンセイです。 :D
まあ、医者だの看護師だのと言っても街中じゃテンデ役に立ちませんよ、正直言って。
そうか、営業マンは演技が上手そうですね。「このやろう!」なんて思っても顧客に対してはニッコリ、とか。いやはや、お疲れ様でございます。心労察して余りあります。
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Neoribates at 2015-05-27 11:25
では,TYドラマの 「WHITE COLOR」でも見ましょ ┐(´д`)┌
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surgeon24hrs
at 2015-05-27 20:12
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swingphoto at 2015-05-27 20:38
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surgeon24hrs
at 2015-05-28 06:53
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swingphoto さん、こんにちは。お久しぶりです。いかがお過ごしでしたか? また拝見させていただきます。楽しみです。
Roxy Music お洒落でしたね。私は今でも沢山かれらのアルバムを持っています。Brian Ferry がソロで日本でやったコンサートにも行きました。高校生の頃だったと思うので、もう何十年も昔の話ですが....。 :)
Roxy Music お洒落でしたね。私は今でも沢山かれらのアルバムを持っています。Brian Ferry がソロで日本でやったコンサートにも行きました。高校生の頃だったと思うので、もう何十年も昔の話ですが....。 :)
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N-styel at 2015-05-28 07:24
おはよ~ございます! (´_ゝ`)//
一分一秒を争うような場面では、やはり日頃の冷静さと確実なご判断を下していただけるお医者様や看護師の方の存在は大きいですよね…。
素人集団では何をどうして良いかの判断も出来ませんから…。
慌てずに的確な所作を施して人命救助がなされるのですモノ、尊い存在だと思います。
特に傍らに居る同伴者などの動揺は本人同様のモノでしょうからね…。
今回の日本人touristの方もホントに何事もなく良かったです。
旅先での思わぬハプニングで大変でしたね…。
休日はゆっくり出来ましたか??
ディエゴで雪!?(;゚Д゚)ニュースで拝見して驚いております…インドは熱波、エルニーニョ現象でまた少しおかしくなっているようです。
一分一秒を争うような場面では、やはり日頃の冷静さと確実なご判断を下していただけるお医者様や看護師の方の存在は大きいですよね…。
素人集団では何をどうして良いかの判断も出来ませんから…。
慌てずに的確な所作を施して人命救助がなされるのですモノ、尊い存在だと思います。
特に傍らに居る同伴者などの動揺は本人同様のモノでしょうからね…。
今回の日本人touristの方もホントに何事もなく良かったです。
旅先での思わぬハプニングで大変でしたね…。
休日はゆっくり出来ましたか??
ディエゴで雪!?(;゚Д゚)ニュースで拝見して驚いております…インドは熱波、エルニーニョ現象でまた少しおかしくなっているようです。
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surgeon24hrs
at 2015-05-28 22:40
x
Nao ☆さん、おはようございます。
一分一秒を争うことなんて、幸いなことに滅多にありません。街中では医療従事者でも判断してところで、その先なにも出来ないので非医療従事者と全く同じですよ。私なんぞがいたって、何の役にも立ちゃしません。
今回学んだのは、本人や同伴者がまず落ち着く、ということが大切だということです。どんなことからも、学ぶ事はあるものですね。 : )
新聞で観ましたが、インドは死者が1100人とか。なんだか大変なことになってますね。
一分一秒を争うことなんて、幸いなことに滅多にありません。街中では医療従事者でも判断してところで、その先なにも出来ないので非医療従事者と全く同じですよ。私なんぞがいたって、何の役にも立ちゃしません。
今回学んだのは、本人や同伴者がまず落ち着く、ということが大切だということです。どんなことからも、学ぶ事はあるものですね。 : )
新聞で観ましたが、インドは死者が1100人とか。なんだか大変なことになってますね。
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BBpinevalley at 2015-05-29 15:49
機内で、お医者さんはいないかという案内を聞くことは、意外とよくありますよね。
そして、たいていの場合見つかっていたように思います。
お医者さんて、割と乗っておられるものなんですね。
私は、二度とも、家族が医者だらけの家に嫁いだので、家族内でもよくそういうエピソードを聞きました。
一度などは、夫の弟とそのお嫁さん(手術用の看護婦)が、心臓発作を起こした乗客の治療に当たらされ、どこかに予定外着陸したこともありました。
しかし、それにしても、そのだんまりを決め込んでいた若い旦那、いただけないですね〜。
何を考えていたんでしょう、そこに突っ立って。
そして、その若い奥さんは、いったい何が問題だったのでしょう?
脳のヘモレージとか??
そして、たいていの場合見つかっていたように思います。
お医者さんて、割と乗っておられるものなんですね。
私は、二度とも、家族が医者だらけの家に嫁いだので、家族内でもよくそういうエピソードを聞きました。
一度などは、夫の弟とそのお嫁さん(手術用の看護婦)が、心臓発作を起こした乗客の治療に当たらされ、どこかに予定外着陸したこともありました。
しかし、それにしても、そのだんまりを決め込んでいた若い旦那、いただけないですね〜。
何を考えていたんでしょう、そこに突っ立って。
そして、その若い奥さんは、いったい何が問題だったのでしょう?
脳のヘモレージとか??
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surgeon24hrs
at 2015-05-30 00:20
x
BBpinevalley さん、おはようございます。
こういう状況に出くわした、という話は今までよく聞いたことがあるのですが、実際に私自身が出くわしたのは、幸いなことに今回が始めてでした。で、結局感じたことは、何も無いところでは何もできない、ということ。まったく役立たず、でありました。 :D
でしょ、この男にはホント呆れました。今回に限らず、なにか重要なときに全く役に立たない輩なのではないかと、想像してしまいました。
奥様はおそらく、激しい偏頭痛のように思われました。成田から名古屋に乗り継ぐ予定だったらしいですが、成田市内の病院で一泊となったことでしょう。
こういう状況に出くわした、という話は今までよく聞いたことがあるのですが、実際に私自身が出くわしたのは、幸いなことに今回が始めてでした。で、結局感じたことは、何も無いところでは何もできない、ということ。まったく役立たず、でありました。 :D
でしょ、この男にはホント呆れました。今回に限らず、なにか重要なときに全く役に立たない輩なのではないかと、想像してしまいました。
奥様はおそらく、激しい偏頭痛のように思われました。成田から名古屋に乗り継ぐ予定だったらしいですが、成田市内の病院で一泊となったことでしょう。