2012年 10月 31日
山に芝刈りに行ったおじいさんは..... |
本日はハロウィーン。病院でも看護師達は、普段のユニフォームではなく各自個性的な衣装で働いています。
(どちらも携帯電話カメラ)
さて、病院内にて跋扈する魑魅魍魎の話はさて置いて…
何事につけても物には順がある。今回は死に続く葬式について。
日本で葬式に呼ばれたとなると、まず思いつくのは喪服と香典ではないだろうか。
芸能人ではない私が、喪服をどれにしようと悩むことなど有り得ない。悩むの悩まないのと四の五の言う前に、私は喪服は一着しか所持していない。そして、この先うまく体型を現在のまま保っていることが出来れば、手持ちの喪服で一生済ませてしまおう、というケチ臭い魂胆である。私のような一般的な市井の民とは、そう言うものだ。
悩むのはむしろ、香典の方である。
冠婚葬祭における一般常識を著しく欠いていることを自認してはばからない私には、香典を一体いくら御包みすれば良いものか、全く見当がつかない。そのために、いつも悩みに悩に、終いには耳の穴から脳みその一部がタラリと垂れ出てしまう。
私のアメリカ生活も20年近くになり、こちらでの葬式にも何件か出席した。
こちらでは、香典と言うものが存在しない。これは非常に助かる。一体いくら御包みすればこれから先、一生後ろ指を刺されずに生きてゆけるのだろうか、などと考える必要がない。したがって、私の脳みそも耳の穴から垂れることもなく、常に頭蓋骨内に収めておくことができる。
その代わりと言うわけではないだろうが、こちらでは喪主が寄付の要請するkとが多い。
たとえば心筋梗塞で亡くなった尊父の葬式で、「皆様の気持ちを心臓病の研究基金に寄付してください」、癌で亡くなった母堂の葬式で、「全米癌協会への寄付をお願いいたします」などと言うことになる。もちろん、山に芝刈りに行って崖から転落死したおじいさんの葬式では「ぜひ、全米山岳芝刈安全推進連絡会議に寄付を」と言うことになる。
私は、これは非常に良い方法ではないかと思っている。一個人の死への弔いを、公的研究機関等の資金に充当する。それこそ、故人が社会に貢献する最後のチャンスなのであろう。
付け足しておくが、この遺族からの寄付の要請、一体誰がどれだけ寄付したのかという事は遺族には知る術がない。中にはビタ一文寄付しない人々もいるであろう。しかしそれも、遺族が知ることは無い。このような、故人をしのぶ人々の篤志に一切をまかせ、それ以上の追求は無い、というところに文化の成熟を感じてしまう。
ただ、一口にこちらの葬式と言っても、宗教や宗派、民族、文化的バックグラウンド、階層、人種、などによってその形態は大きくことなることは容易に想像がつく。
しかし、そんなこたーどうでもいー。
これは私のブログであるので、私が経験したことしか書かない。アメリカの多様性如きに日本男子たる私のブログが振り回されることはない。その辺は、なんとも無意味に潔いのである。
<読了>
「どくとるマンボウ航海記」 北杜夫
by goodsurgeon24hrs
| 2012-10-31 13:33
| 日常
|
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Comments(12)
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nakamura-2929 at 2012-11-01 06:41
成る程ぉこんなトコにも国の違いってあるんですね。
香典はホント悩みますよ。
今年に入ってから自分のお客様だけで三回出ていますから…
まぁ会社が代表して出すモノですから
金額くらいしか分かりませんが…
お祝いは割れない奇数だったりと日本は
以外とそんな所が有りますからね。
島国だから独特な文化になったのですかね。
ハロウィンといえば川崎のハロウィンパレード今年も行ってきましたよ。
今回は仕事で出勤でしたがしっかり撮影しておきました(笑)
香典はホント悩みますよ。
今年に入ってから自分のお客様だけで三回出ていますから…
まぁ会社が代表して出すモノですから
金額くらいしか分かりませんが…
お祝いは割れない奇数だったりと日本は
以外とそんな所が有りますからね。
島国だから独特な文化になったのですかね。
ハロウィンといえば川崎のハロウィンパレード今年も行ってきましたよ。
今回は仕事で出勤でしたがしっかり撮影しておきました(笑)
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N-styel at 2012-11-01 19:34
うわぁ~~!!どくとるマンボウシリーズ!!懐かしいィ~~です♪
実は私、小学5年生から電車通学でして…電車の中で色んなご本を読んでおりました。
当時、中学受験に際して母が色んな文庫本を与えてくれて…
何だか嬉しくなっちゃいましたわ♡ !(^^)!
御香典、なかなか難しいですね…
突然の訃報で告別式やお葬儀に参列できない場合など、お線香やお花をお悔やみにとお渡しするコトもあります。
母が亡くなった折、私の全く知らないご近所の女性が訃報を訊きつけてお香典を包んでくれました。
金額ではなく、やはり心を寄せるお気持ちだと実感したエピソードです。
最近はご高齢の方が亡くなったりすると、敢えて葬儀も家族だけで送る家族葬というのもあるようです。
葬儀のあり方も変わってきましたね。
因みに私の場合…親戚の法要などもとても多く、その度に喪服を着る習慣なので…season毎の喪服は必須itemなんですよォ~~
寒い時期や暑い季節などやはりそれ用にあると助かります…
お寺さんとかとっても冷えますし、夏は色だけでも暑いですモノね。
(^^ゞ
実は私、小学5年生から電車通学でして…電車の中で色んなご本を読んでおりました。
当時、中学受験に際して母が色んな文庫本を与えてくれて…
何だか嬉しくなっちゃいましたわ♡ !(^^)!
御香典、なかなか難しいですね…
突然の訃報で告別式やお葬儀に参列できない場合など、お線香やお花をお悔やみにとお渡しするコトもあります。
母が亡くなった折、私の全く知らないご近所の女性が訃報を訊きつけてお香典を包んでくれました。
金額ではなく、やはり心を寄せるお気持ちだと実感したエピソードです。
最近はご高齢の方が亡くなったりすると、敢えて葬儀も家族だけで送る家族葬というのもあるようです。
葬儀のあり方も変わってきましたね。
因みに私の場合…親戚の法要などもとても多く、その度に喪服を着る習慣なので…season毎の喪服は必須itemなんですよォ~~
寒い時期や暑い季節などやはりそれ用にあると助かります…
お寺さんとかとっても冷えますし、夏は色だけでも暑いですモノね。
(^^ゞ
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hurry69 at 2012-11-01 23:26
各国、各地域、宗教等々でいろんな違いがあるんでしょうね。
寄付とはなかなかいい考えですね。
ワタシも毎回、袋の中身に悩んでしまいます。
どれくらいが常識的なのか、これまた地域やその縁において様々なようで・・・何年生きていましても毎回悩んでしまいます^^;
しかしそちらの看護師さんたちの素敵な姿に感動しております。
患者さん達がこれで和めばこれまた良薬かと。
最近母親が入院している病院でちょいと嫌なことがあったので、この写真で少し和ませていただきました^^
寄付とはなかなかいい考えですね。
ワタシも毎回、袋の中身に悩んでしまいます。
どれくらいが常識的なのか、これまた地域やその縁において様々なようで・・・何年生きていましても毎回悩んでしまいます^^;
しかしそちらの看護師さんたちの素敵な姿に感動しております。
患者さん達がこれで和めばこれまた良薬かと。
最近母親が入院している病院でちょいと嫌なことがあったので、この写真で少し和ませていただきました^^
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surgeon24hrs
at 2012-11-02 05:11
x
魔王さん、こんにちは。
ね、結構面白いって言うか、興味深いでしょ。チャリティーや研究機関に寄付をするということは、日本よりも広く行われていることですが、故人を弔うのと同時に寄付を要請して啓蒙する、というのはなかなか良い方法かなと思ってます。
営業をしている方は、冠婚葬祭もおおいでしょうから、大変ですね。お疲れ様です。
ね、結構面白いって言うか、興味深いでしょ。チャリティーや研究機関に寄付をするということは、日本よりも広く行われていることですが、故人を弔うのと同時に寄付を要請して啓蒙する、というのはなかなか良い方法かなと思ってます。
営業をしている方は、冠婚葬祭もおおいでしょうから、大変ですね。お疲れ様です。
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surgeon24hrs
at 2012-11-02 05:21
x
Nao☆さん、こんにちは。
この文庫本、後ろを見てみると昭和49年22刷とかいてあります。そう、これは私が中学生のときに読んだ本を、実家から持ってきたものです。読み返してみると、中学生にはふさわしくない話がいっぱい出てきますヨ。 :D
こうしてみると、昔の文庫本は本当に活字が小さかったのだな、と驚いてしまいます。今だったら、上下巻に分けて出版したりするのでしょうね。
我が家では母が2年ほど前に他界しましたが、葬儀はごく近い家族のみで行って、普段離れている親戚などは呼びませんでした。
香典の金額も、気持ち、付き合いの深さの度合い、地位などいろいろな要素を加味しなくてはならない場合があるので、困っちゃいますね。あおてゃ、おっしゃるようにお花をおくる場合も多いですね。こちらではどんな形であれ私が少しでもかかわった患者さんが亡くなったときには、葬儀に花を贈っています。
おや、さすが! 喪服もシーズンごとにおそろえですか。すばらしい。私は、一着のみ。 :D
この文庫本、後ろを見てみると昭和49年22刷とかいてあります。そう、これは私が中学生のときに読んだ本を、実家から持ってきたものです。読み返してみると、中学生にはふさわしくない話がいっぱい出てきますヨ。 :D
こうしてみると、昔の文庫本は本当に活字が小さかったのだな、と驚いてしまいます。今だったら、上下巻に分けて出版したりするのでしょうね。
我が家では母が2年ほど前に他界しましたが、葬儀はごく近い家族のみで行って、普段離れている親戚などは呼びませんでした。
香典の金額も、気持ち、付き合いの深さの度合い、地位などいろいろな要素を加味しなくてはならない場合があるので、困っちゃいますね。あおてゃ、おっしゃるようにお花をおくる場合も多いですね。こちらではどんな形であれ私が少しでもかかわった患者さんが亡くなったときには、葬儀に花を贈っています。
おや、さすが! 喪服もシーズンごとにおそろえですか。すばらしい。私は、一着のみ。 :D
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surgeon24hrs
at 2012-11-02 05:29
x
ウッキーさん、こんにちは。
私もネ、この寄付をするってのはなかなかいいんじゃないかと思ってるんですよ。故人の最後の社会奉仕、ってな感じですよね。
日本では、ほんと困ることが何回かありました。挙句の果てにはほかの人に電話をして「じゃあxxxx円にしておこう」なんて打ち合わせちゃったりなんかして。 :D
こちらでは結構、行事にあわせた衣装を看護師たちがします。ハロウィーンはもちろん、クリスマスのときもなかなか彼女たちの服装がにぎやかになります。本人たちも楽しんでいるし、入院して行事に参加できなかった患者さんたちも楽しんでいます。 :D
私もネ、この寄付をするってのはなかなかいいんじゃないかと思ってるんですよ。故人の最後の社会奉仕、ってな感じですよね。
日本では、ほんと困ることが何回かありました。挙句の果てにはほかの人に電話をして「じゃあxxxx円にしておこう」なんて打ち合わせちゃったりなんかして。 :D
こちらでは結構、行事にあわせた衣装を看護師たちがします。ハロウィーンはもちろん、クリスマスのときもなかなか彼女たちの服装がにぎやかになります。本人たちも楽しんでいるし、入院して行事に参加できなかった患者さんたちも楽しんでいます。 :D
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N-styel at 2012-11-02 06:53
仰る通り!!! (^^ゞ
当時もそう思いましたが、小学生が手にする本ではないんですよね…。
世の中のあれこれをこうして本で教えてもらったような気もします。
母独特の教育方!?だったのかも…(^^ゞ
本を与えて上手いコト、逃げましたよね、母は…。
ドクターは素晴らしいお医者様なんですね。
悲しみや寂しさに心寄り添っていただけるコトは、何よりの慰めになると思います。
大切な方を失ったこの世界がけっして無機質ではなく、希望を見出せるキッカケになりますね。
喪服はねェ~~(>_<)
私も結婚して、これ程法事に参列させていただくとは思いもよりませんでした。
時代と逆行しているようですが、滅多に顔を合わせない親類縁者との善き社交の場であるというのも強ち嘘ではありません。
こちらも年を重ねる毎に、こうしてお顔合わせ出来るコトが単純にしあわせなんだなぁ~と思えるようになって参りました。(^^)
当時もそう思いましたが、小学生が手にする本ではないんですよね…。
世の中のあれこれをこうして本で教えてもらったような気もします。
母独特の教育方!?だったのかも…(^^ゞ
本を与えて上手いコト、逃げましたよね、母は…。
ドクターは素晴らしいお医者様なんですね。
悲しみや寂しさに心寄り添っていただけるコトは、何よりの慰めになると思います。
大切な方を失ったこの世界がけっして無機質ではなく、希望を見出せるキッカケになりますね。
喪服はねェ~~(>_<)
私も結婚して、これ程法事に参列させていただくとは思いもよりませんでした。
時代と逆行しているようですが、滅多に顔を合わせない親類縁者との善き社交の場であるというのも強ち嘘ではありません。
こちらも年を重ねる毎に、こうしてお顔合わせ出来るコトが単純にしあわせなんだなぁ~と思えるようになって参りました。(^^)
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すみれ
at 2012-11-02 07:56
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冷たい朝です。
早くも「11月」いやですねぇ、年賀葉書の発売日でしたよ。
始めて、NZへ行ったとき、湖の柵に花束が結ばれていました。
NZでは、お墓があまりないとか?
公園に木を、ベンチをと寄付した下に眠っていたりとかが多いらしい?
香典はさておいて、日本の狭い国土の中でのお墓事情も変わってきました。
まぁ、密葬で香典もご辞退が多くなってきたようです。
我が家も近い将来、実行に移さなくてはいけないのですよねぇ。
先日亡くなった、父の弟(95歳)は献体の手続きが、早くからされておりました。
親類、縁者どころか・・・。
見送っていただける人が居なくなっていますからねぇ・・・。
子供も少なくなり、親類の付き合いも無くなってきた昨今。
助け合いも?状態。
まぁ、母がそうしたように、子供には負担を少しでも軽くかな?
しかし、いろいろ知恵をだした送り方があるものですねぇ。
父も、最後にご奉公をしたいと医療機関に相談していました。
こんなことも考えられる、幸せと感謝。
早くも「11月」いやですねぇ、年賀葉書の発売日でしたよ。
始めて、NZへ行ったとき、湖の柵に花束が結ばれていました。
NZでは、お墓があまりないとか?
公園に木を、ベンチをと寄付した下に眠っていたりとかが多いらしい?
香典はさておいて、日本の狭い国土の中でのお墓事情も変わってきました。
まぁ、密葬で香典もご辞退が多くなってきたようです。
我が家も近い将来、実行に移さなくてはいけないのですよねぇ。
先日亡くなった、父の弟(95歳)は献体の手続きが、早くからされておりました。
親類、縁者どころか・・・。
見送っていただける人が居なくなっていますからねぇ・・・。
子供も少なくなり、親類の付き合いも無くなってきた昨今。
助け合いも?状態。
まぁ、母がそうしたように、子供には負担を少しでも軽くかな?
しかし、いろいろ知恵をだした送り方があるものですねぇ。
父も、最後にご奉公をしたいと医療機関に相談していました。
こんなことも考えられる、幸せと感謝。
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k7003 at 2012-11-02 09:26
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Surgeon24hrs
at 2012-11-02 11:02
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Nao☆さん、こんばんは。再び書き込み、大感激です!
読んでいた時はまったくそんな事は考えもしませんでしたが、こうして何十年後にもう一度読み直してみると、「えっ、こんなこと書いてあったっけ!」とビックリ:D
ほとんどの場合はお花を供えるさせて頂くだけですが、時間に都合がつく場合には、葬儀や日本のお通夜にあたるものに出席することもありますよ。元気になられる方々も亡くなられた方々も、お会いしたのは仕事とはいえ何かの縁ですからね。
おっしゃるように、冠婚葬祭は普段あまり往き来の無い親類と会う良い機会と言う面も確かにありますね。
私の喪服はいわゆるスリーシーズン一着。夏はこれでは流石に暑いですが、そこは一発、心頭滅却ですが、行きます。 :D
読んでいた時はまったくそんな事は考えもしませんでしたが、こうして何十年後にもう一度読み直してみると、「えっ、こんなこと書いてあったっけ!」とビックリ:D
ほとんどの場合はお花を供えるさせて頂くだけですが、時間に都合がつく場合には、葬儀や日本のお通夜にあたるものに出席することもありますよ。元気になられる方々も亡くなられた方々も、お会いしたのは仕事とはいえ何かの縁ですからね。
おっしゃるように、冠婚葬祭は普段あまり往き来の無い親類と会う良い機会と言う面も確かにありますね。
私の喪服はいわゆるスリーシーズン一着。夏はこれでは流石に暑いですが、そこは一発、心頭滅却ですが、行きます。 :D
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surgeon24hrs
at 2012-11-02 11:24
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すみれさん、こんばんは。
こちらは幸運にもハリケーンの影響をほとんど受けずに済みました。いまだに日によって寒暖の差が激しい、妙な気候になってます。
献体ですか。それは実に御立派ですね。頭がさがります。解剖は我々が教養学部から専門課程に移ってまず最初の関門でした。今日の我々があるのも献体で我々に教育を与えてくれた方々のおかげです。
すみれさんの父方は、長寿の家系なのですね。素晴らしい!
こちらでは日本の様に「家族の墓」ではなくて「個人の墓」です。ただこれがニューオーリンズにゆくと、墓がまるで小さめの家のような形態になるので、アメリカ国内でも様々な様式があって、なかなか興味深いです。
こちらは幸運にもハリケーンの影響をほとんど受けずに済みました。いまだに日によって寒暖の差が激しい、妙な気候になってます。
献体ですか。それは実に御立派ですね。頭がさがります。解剖は我々が教養学部から専門課程に移ってまず最初の関門でした。今日の我々があるのも献体で我々に教育を与えてくれた方々のおかげです。
すみれさんの父方は、長寿の家系なのですね。素晴らしい!
こちらでは日本の様に「家族の墓」ではなくて「個人の墓」です。ただこれがニューオーリンズにゆくと、墓がまるで小さめの家のような形態になるので、アメリカ国内でも様々な様式があって、なかなか興味深いです。
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surgeon24hrs
at 2012-11-02 11:25
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