2009年 11月 20日

( Lee Farm, Alabama )
東京オリンピックの記念1,000円硬貨で買い物をしようとしたら店員がおもちゃのコインかと思い買い物が出来なかった、と言う記事を見かけた。
1,000円硬貨を額面通りの通貨として利用する人がいるのかと、驚いた。1,000円硬貨欲しさに銀行に長蛇の列が出来たのを、当時まだ子供だった私はニュースで見た記憶がある。当時の人々がかくのごとき狂騒を繰り広げて懸命に入手した1,000円硬貨は、その後もコインコレクターの中では30,000円で取引されているというような噂を大分前のことだが、小耳に挟んだ記憶がある。
1964年の物価を調べてみた。大卒初任給の平均が21,190円とある。と言うことは、当時の1,000円硬貨は現在の物価で言うと10,000円くらいの価値に相当したのではないかと思われる。何とも大変な硬貨だったのだ。
そのほかに物価を見ると、コーヒー70円、お子様ランチ150円、鶏卵一個9円、などと言うのが見受けられる。鶏卵はあまり値が上がっていないようである。驚くのは東京大阪間の電話料金が3分で315円。電話はかなり安くなったようである。
さて、一時は3万円とささやかれた1,000円硬貨、果たして現在はいかなる価格で取引されているのやら。調べてみると、1500円から3000円くらいのようである。1964年から現在までに大卒初任給が2万円からその十倍になった反面、1000円硬貨は額面で1.5倍から3倍にしかなっていない。しかし物価を考慮した実質価値では当時の15%から30%くらいの値打ちしかないことになるのであろう。投資としては、大失敗と言う事になる。
そうであるならば、1,500円から3,000円くらいの価値のある効果を額面どおり1,000円として使うのは、大変に贅沢であるように思えてくる。ちっぽけな付加価値には一切目もくれず、額面一本勝負を打って出るところに、使用者の気概を感じる。そしてまた、1,000円硬貨を子供銀行の貨幣のようなものとして受け付けなかった店員にも、それなりの気概を感じてしまう。職責を掛けて、真剣に拒否したに違いない。1,000円硬貨をめぐっての、攻防戦である。
それにしても、コイン収集が趣味ではなくて本当に良かった。








