2010年 02月 09日

(歌舞伎座)
(東京都中央区銀座)
( Olympus PEN E-P1, Digital Zuiko 17mm F2.8)
なんとも不覚なことに、私の日本の貯金がジリジリと年々、少しずつ減っていることに最近になってやっと気が付いた。
株だの信託投信だのFXだのと言った、金融オンチである私の理解の範疇から逸脱する様な複雑な金融商品の話ではない。単純極まりない銀行の普通預金の話である。この普通預金から、なんとも言えぬ中途半端な金額が少しずつ無くなってゆくのである。どの程度の金額かと具体的に述べさせていただくと、もしも私がマイクロソフトのビル・ゲイツの10倍くらい金持ちだったらまったく取るに足らないくらいの金額である、と説明すればどなたにも容易に理解できることと思う。しかしここでの問題は、あまり世間には知られていない事ではあるのだが、私はビル・ゲイツの10倍位の金持ちではない、と言う所に所在する。
この件に関しては、アメリカで生活している以上日本の口座には金銭の出入りは無いはずと思い込み、頻繁にチェックをしていなかった私に非がある。しかし認めはするものの、今回のことも私の人生における多くの事柄のように、配偶者には内緒である。
起承ときたら、次は転だ。ここで話は突然、ウイスキーの製作に飛ぶ。ウイスキーの製作過程において「天使の分け前」と言う言葉がある。これは比較的有名な話なのでご存知の諸兄も多いと思うが、無粋を承知で説明を一加える。蒸留したばかりのウイスキーを樽に詰めて熟成させる段階で毎年少しずつ蒸発によって樽の中のウイスキーが減って行くことである。この減少した分を「天使の分け前」と称するのである。早い話が、どうやら天使はアル中らしい。
私の銀行口座からの、知らぬ間におきた貯金の流出は、金融版「天使の分け前」なのかもしれない。天使は利息が付くよりもはるかに大きい金額で「分け前」をむさぼって行くのだ。地獄ならぬ、天国の沙汰も金次第であるとは思いたくないが、天使の台所事情もきっと厳しいに違いない。
さて、その「天使の分け前」、なんとNHKの受信料であることが判明した。日本を離れるときに、各種公共料金を含めありとあらゆる自動振替を止めたはずだったのだが、なぜだかNHKだけが、こぼれ落ちてしまったらしい。日本に住みながらもNHKの受信料を払わない人が多い事が問題となっていると聞いているが、私はアメリカから観ることも無いNHKの受信料を律義にも、毎年きちんと収めていたのだ。大変に感心な日本国民である。私自身としては、これは勲xxなどという表彰に値するのではないか、とすら思ってしまう。
それにしても、なんとも容赦のない天使の分け前であった。









