
WHAT : Wizard of Oz
WITH : Canon 7D, Tamron 18-270mm F3.5-6.3
出張から帰ってきて、早くも一週間が過ぎました。
日曜の夜行飛行機に乗りサンフランシスコを出発し、月曜の朝に帰宅して仕事をするや否や、以来昼も夜の関係ないほどに忙しいく、仕事に明け暮れる週となりました。おかげでいつものような「味」のある生活とは程遠い日々となりました。
ところで、味と言えば……
我が家が誇ることの一つに、食事がある。早い話が、配偶者が料理が上手くどれを食べても大変に美味しい。息子の友人達曰く、「この家は、いつもレストランみたいな料理が出る」。
この美味しい料理が私の仕事のエネルギーの源であることは言うまでも無い。
さて先日の夕飯はステーキであった。ベジタリアンとは程遠い食生活を好みとする私のリクエストである。サイドには、ブロッコリー、アスパラガス、マッシュポテト、などその他多くのものが好みに応じて選べる。味だけではなく、品数が多いというのも我が家の食卓のすばらしいところである。
私は我が手に持ったスプーンでマッシュポテトを掬い取った。スプーンが作る銀色に光る美しい曲面の上に、ホックリとしたマッシュポテトが行儀良く鎮座し、遠慮がちに湯気をたゆらせている。
太宰治の「斜陽」の冒頭に登場するお母様のような美しさには到底及ばないものの、私もヒラリとマッシュポテトを口中に運び込んだ。
私の舌がマッシュポテトに触れた瞬間、私は理解した。うーん、これは普段とは何かが違う。しかし、その「何か」が私にはわからない。
最初の一口、二口で「何か」を発見しようと舌先の味蕾に可能な限りの意識を集中するのだが、それでも私には「何か」が見抜けない。見抜けないにせよ、普段とは味が大きく異なるという事だけは分かる。
ついに私は勇気を振り絞り、今回のマッシュポテトは普段とは素材ないしは製法において、如何なる点において相違が存在するのかを質問することにした。
返ってきた答えは私の予想を裏切るもので、いつもと何ら変わりはないのだと言う。
そう答えながら、配偶者は何かを思い出そうとするような仕草をしている。
それから5秒ほどして、配偶者は再び口を開き返答した。この二つ目の答も最初の答えと同様かそれ以上に私の予想を大きく裏切るものであった。
塩を入れるのを忘れた、とのこと。
そうか、一味足りない「何か」はまさに塩であったのだ。
そこで塩の入ったミルをつかみ、マッシュポテトの上でガリガリと小雪をチラつかせたところ、おや不思議、いつもと同様のこれはおいしいマッシュポテトの出来上がり!
もう一度言うが、料理は我が家が誇りとしているところである。
<今週の一枚>"aja" by Steely Dan, 1977
SIDE ONE1. BLACK COW
2. AJA
3. DEACON BLUES
SIDE TWO1. PEG
2. HOME AT LAST
3. I GOT THE NEWS
4. JOSIE